初心者に何を教えれば良いのか
ボルダリング、やってるんですか?今、流行ってますよね!
今度連れて行って下さいよー!
と、職場や学校で声をかけられるクライマー、多いですよね。で、実際初心者を引き連れて、ジムにやってくる、なんてことは経験したことがあるかと思います。
私も実際に50人以上の初心者を連れてジムに行きました。自分も初心者に近かった頃は、登れるようになった過程を思い出しながら何となく教えていれば伝わったのですが、下手に何年もクライミングをやっていると、初心者が何ができないかもはや分からなくなってきますよね。
そこで、備忘録も兼ねて、初心者に教えるべきポイントをいくつか書いておきます。普通のサイトや教本には体系だって書いていることが多いですが、この記事では特に初心者には馴染みがなく、経験者は当たり前すぎて忘れがちなポイントを中心に記載します。
チョークをつける
当たり前すぎて忘れていますが、初心者はチョークをつけるという行為に馴染みがありません。指先にちょっとつけるだけ、なんてこともあります。液体チョークなどを手に出してあげて、まんべんなくつけることを教えてあげましょう。
課題のホールドを数える
いわゆるオブザベですが、初心者はぼんやりと壁を眺めるだけで実際にはオブザベできていません。スタートからゴールまで何手あるか、足のホールドはどこにあるか、一つ一つ数えるように見てから登るように教えましょう。
スタートは座る
スタートを両手で持つのは、ルールとして教えますが、座ってスタートしても良いということが最初は伝わっていません。座ってスタートを両手で持たせて、立ち上がる推進力で次のホールドを取ることを教えてあげましょう。立ち上がる(ような)勢いでホールドを取ることを教えると皆、サクサクと登れるようになります。
腕を伸ばす
ロックや固めなどができるようになると、初心者の腕が曲がっていることを指摘できなくなりがちです。初心者には身体の振りを使って、腕は常に伸ばして登ることを教えましょう。腕を曲げて登ることは懸垂の曲げた状態と同じくらい消費するので。
身体を壁から離す
腕を伸ばすことと同時に教えるとわかりやすいですが、初心者は壁に張り付かないといけないと思いがちです。腕を伸ばして、壁から身体を離して、腕の力ではなく、身体の振りでホールドを取りに行くことを教えましょう。
つま先でホールドに立つ
初心者はベタッとホールドに立ちがちですが、それだと足の向きが変えられなくなるので、大きいホールドにもつま先で乗るようにして、コンパスにように足と身体が回るように、と教えましょう。
足を切る
次のホールドを取りに行くとき、手が届かない。
これは手が短いのではなく、足が切れていないことが原因であることが多いです。できる人は教えなくてもできるし、できない人はできません。できない人はホールドには両足を乗せていないといけない、と思い込んでいるからです。階段やはしごで両足を常につけている、ということは無いですよね?次の一手を出すにはホールドから足を切らなくてはいけないことを教えてあげましょう。
正対と側対
いわゆるはしごを登るときは正対で、初心者の特に男性はこの登り方をします。
一方で側対はあまり馴染みがなく、身体を捻りながら取りたいホールドがある方に、どちらかというと背中を向け気味で取ります。最終的にどちらが正しい登り方というのは無いですが、優しい級の課題は側対だと簡単にホールドを取れることが多いので、それぞれの違いを実演して見せてあげるとよいでしょう。いわゆるボルダリングの経験者っぽい登り方、と教えると食いつきがよいです。
腕を伸ばす、身体を壁から離す、つま先でホールドに立つの三点セットが出来るようになると、自然と側対になってくると思います。
ホールドの持ち方は色々とありますが、最初はガバくらいしか無いので、カチやスローパーの違いを細かく教える必要はあまりないです。以下の2つだけ教えてあげましょう。
マッチ
たまに、ホールドを片手で持たなくてはいけないと思い込んでいる初心者がいるので、両手で持って、少しずつ登る選択肢があることも教えてあげましょう。
アンダー
ホールドを下から持つという概念が無い初心者が多いので、下向きについているガバは下から持つことを教えてあげましょう。
以上です。